灰色のまち

よく分からない。

さくさくと、という言葉が降ってきた。


さくさくと仕事をこなすとか、そういう意味でないことは確かだ。


もっと、擬音のようなかんじ。

さくさくと、雪の上を歩く。・・・それでもないな。しっくりこない。


さくさくと、わたしの中の思い出が、さくさくと壊れていく。

そんなかんじ。


ゆるく優しく、ふんわりとよくない事が起こる。そんなイメージ。


さくさくと、音がする。

屋根に雨がさくさくと降り落ち、さくさくとわたしが侵食される。

そんなかんじ。


さくさくと、さくさくと、さくさくと・・・・


ずっとこの文字を見ていると、ゲシュタルト崩壊に陥る。

なんだこれ、さくさくと、さくさくと、さくさくと・・・・・



さくさくと、わたしの日常が壊れてゆく。

さくさくと、わたしのきれいな思い出が侵されてゆく。

さくさくと、命は日々短くなってゆく。

さくさくと、傷つける。

さくさくと、壊してゆく。

さくさくと、死に近づいてゆく。



今日の妄想は、文字について。

世で言われる意味とは違う意味をもって、わたしの中に降ってくる文字たち。

それらから、何かを得ようと、毎日限られた時間の中で、必死に妄想する。


ああ、早く人生の余暇に入らないかな。

思う存分、毎日を思考の渦の中で溺れたい。



そんなことが、わたしの夢なのです。