灰色のまち

これからの自分に期待をしながら、どこかで諦めていた


自然に誰かと新しい関係を築いたところで、今までの時間を共にした人には敵わない


そう思っていたけれど


今までの大切な人たちと、これから大切になる人たち


比べることがおかしくて、ただわたしにとって大切な人たちになるだけなのに


今までとこれからが一緒になるだけなのに



過去や歴史にしがみついて、ぬるま湯に浸っていたのはわたしの方

これから大切になる関係だって、今までになる日が来る


今まで大切だと思っていた関係が、じつはたいして大切じゃなかったりした時もある


その基準は人それぞれなんだが、ひとつだけ言えることは


自分中心に振る舞っているだけの関係は、決して大切なものなんかじゃない、ってこと


相手を困らせるだけの関係、お互いに嫌な気持ちにしかならない関係


相手のために自分の欲求を多少我慢することが苦でない関係でなければ、大切とは言えない


自分の理想に相手を当て嵌めるという行為は、自己中心的な行いの典型だと思う


そのボーダーも人それぞれ


わたしの場合で言えば、自分が誰かに対して不満を抱いた時、その原因は自分にもあると考える


そじゃないよ、と言われるようなことでも、自分が嫌な思いをするということは


自分が相手をそうさせてしまう原因をつくることに、加担してしまったんだろうと考える


だから、できるだけ不満を抱えたくない


不満を抱いている自分がいるということは、相手を傷つけることにいずれ繋がると思うから


その考え方を【自分を卑下しすぎ】と言われたことがある


もちろん、自分に何も落ち度がないことには真っ向から立ち向かうのだけど


何か一つでも責任を感じることがあったら、すぐにその点を責めてしまう


99：1でも責任を感じてしまうわたしは、誰かと新しい関係を（深く）築くのが億劫だ


できれば責任なんて負いたくない


そうすれば楽しいままで生きられるのに、とも思う




そういうわけで、あまり恋愛にも向かない


惚れっぽいなんてのは尊敬に値するくらい無理なことだし


一目惚れや、浮気二股なんてのも面倒で仕方がない


自分はそういう人間であると自覚しているから、浮気なんて疑われようもんなら


相当ご立腹である


誰に言ってんだ？お前を好きになったことすら奇跡に近いのに


これ以上自分の時間を割かれるなんてごめんだ！と思っているのに


疑われようものなら腹が立って仕方がない


まあ、心に余裕がある時は『可愛いヤツよのう』と嬉しくなったりするんだけれど


わたしのことを、こういう人間だと知ってくれている人といるのは、とても楽だ


これから関係を築いていく人は、そんなのまったく知らないわけで


そこらへんを面倒だと思ってしまうあたり、本当に恋愛体質ではないんだなあと思う


そんなわたしが誰かを好きになるって、本当に奇跡に近いことじゃないかな



こんなこというと、好きな人できた？と思われがちだけれど


ただの一例を挙げたまでですので勘違いなさらぬよう




恋がしたいとか、結婚したいとか、そういうのを感じたことがないので


好きだと思う対象がいないのに、漠然と『恋（だけ）したい』ってのは


どこか【恋している状態になりたい】だけのような印象を受けるんだ


それは至極まっとうな欲求なのだろうけど、少なくともわたしは理解できない


自己中心的で、相手を思い遣るという部分が欠落しているように感じる


だからといって、否定はしないけどね




何が言いたいかっていうと、新しい関係を築くのはその対象があってこそ


その対象もないのに、関係性だけに固執したり執着するのはただの我儘ってこった


そんな女に、君はなりたいの？




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