2012年09月18日

秋の気配

日射しはまだ強いけれど、風が秋を運んできた。


顔に当たる風が、とても涼しい。


空気も少しずつ澄んできた。


こんな気候の、夕方はとても切ない。


ただでさえ季節の移り変わりは切ないのに。


夏から秋に移ってゆく季節は、いつも涙が溢れそうなくらい切ない。



肌に感じる温度で、心が変化したりもする。



生温かい、まるで人肌に包まれているような空気に、とても安心する人もいるだろう。


冷え切った空気に触れると、突然目が覚めて気合が入る人もいるだろう。


どこへ行ってもうだるような暑さの中、山へ入り涼を求めることが好きな人もいるだろう。



わたしは、この秋の空気がとても好きだ。


切なさがどこからともなく運ばれてくる、この季節が一番好きだ。


そして本格的な冬に突入すると、もっともっと寒さが好きになる。



そんな切ない季節、感受性が敏感になっている実感がとてもある。


読書の秋とはよく言ったものだ。


また読書欲が湧いてきた。寝る間を惜しんで、物語の世界へ入り込んでしまう。



最近のお気に入りは、ホラーやサスペンスというジャンルに分類されるようなもの。


背筋が凍るような物語の中に、人間の浅はかさや切なさ、愚かさや温もり、激情や虚脱・・・


そんなものを垣間見る瞬間。とてもやめられたものではない。



秋の気配とともに、部屋の中の温度も過ごしやすくなってきた。


タバコを燻らせながら、物語の中へ入り込んでゆく。



ずっとずっと秋ならいいのに、そんなことを考えながら。



自分のコンプレックスを忘れるための逃避、という本音を隠しつつ


今日も物語への旅をする。


***

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Posted by hys at 19:45│Comments(0)日常
 
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