灰色のまち

昔むかし、いつだったか学校で『需要と供給で経済が成り立っている』というようなことを


勉強した気がするんだ。まったくもって内容は忘れてしまったけど、さ。




いま改めてそれらについて考えると、とても俗っぽくて、人間の欲の塊のような印象を受ける。


需要って、すなわち購入しようとする欲求なわけだろ？


その欲求に応じて、供給する人がいるってことだ。

あれ欲しい、ここがこうなってくれたら買うんだけどな、欲しい欲しい欲しい欲しい・・・



いま人々は何を求めているんだ？おおこれか、これで喜び悦に入るのか、ほれほれほれほれ！！



金銭のやりとりで、その需要者の欲求は満たされる。


その金銭で、供給者の財布が潤う。



うわあ、なんだこれって売春も同じことではないか。



求める者、与える者、それによって満たされる心と体。



うん、需要と供給って、けっこうエロい。


いや、かなりエロい。



今日もどこかで、誰かが欲求を満たし、誰かがその欲求に応えている。



生産と消費、需要と供給、男と女、タチとネコ、攻と受（古い表現なのか？）・・・


なんだか、全部が同じに見えるわたしの方がおかしいんだろうか、そうだろうな。



でもまあ、その中に心と心のやりとりがあるのなら、悪いことじゃないと思うんだ。




欲求が満たされることは、悪いことではない。


欲求を抱くことは、悪いことじゃない。


悪いことじゃないのだけど、どこかでそれを悪いことのように感じるわたしの心が、少し世間とずれてるだけ。



欲求を丸出しにすることが、昔から苦手だ。


おもちゃが欲しいと、駄々をこねたことがないらしい。


わがままを言うことが、とても罪深いことだと思って生きてきた。


それなのに、蓋を開ければわたしはわがまま放題に生きてきていたようだ。



あれがほしい、これがほしい、そうして自分の欲求を満たしながら、消費しながら生きてきたようだ。



少し、その欲求を抑えると、たちまち誰かを所有したくなる。


誰か、わたしのために生きる誰か、わたしを欲してやまない誰か。


誰かのために生きる自分、誰かを欲してやまないわたし。



そういうのは、危うい。



だから物欲に転嫁したりする。



なんていうのか、人間はとても欲深い。欲深くて傲慢で、汚い。


だけど、理性も兼ね備えている。なぜか知らないけど、いつの間にか理性というものを


身につけている。だから、苦しい時もある。



その溢れだしそうな欲求を、他の物で埋めようとするとき、そこに需要がある。


そしてその欲求に応えるべく、供給がある。




そうして成り立っている経済国は、どこか物悲しい雰囲気を感じる。





需要と供給、それは人間の欲深さをありのままに物語っているものであると思うんだ。




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