2012年01月04日

愛すべきふたり

わたしの知っているカップルの話。


鹿児島の方々ではありません。


KさんとJさんは、大学生の頃からお付き合いをしている

男性どうしのカップルです。



Jさんは震災で、親戚やお友達を亡くしました。

そして、お母様や叔母様から強く結婚を勧められています。


孫が抱きたい。

こんなことがあって、家族の必要性を

Jさん自身が強く感じています。

でも、Kさんと別れることは考えてもいません。


じゃあどうしたらいいのか。


『友情結婚』です。



Jさんには、幼馴染みの女の子Cちゃんがいます。

Cちゃんは、年齢的にも適齢期。

出産や子育てを考えると、早めに結婚したいお年頃。

JさんはCちゃんに『友情結婚』の話を持ち掛けました。


僕はKと別れるつもりはない。

だけど、親のことや今回の震災のことを考えると形だけでも、結婚をして子どもをもうけたい。

生活費や養育費は僕が全部払う。

その代わり、Kと今までどおり付き合い続けたい。


Cちゃんは、友達としてJさんのことが好きだったのでその話に乗りました。

Jさんはゲイなので、Cちゃんと子どもを作るのは

肉体的には結ばれずに授かろうと思っています。


さて、ここで複雑なのはKさん。

Jさんを信頼して愛しているからこそ、Jさんの気持ちが痛いほど分かってしまう。

Jが悩んで考えて、全てをオープンにしてやろうとしている事を

自分のわがままで、めちゃくちゃにだけはできない。

Kさんは、二人の友情結婚について何も言いませんでした。



Cちゃんは、二人の住む部屋に遊びに来るようになりました。

二人でいる時に電話をしてくるようになりました。

Kさんが家でごはんを作って待っている時にJさんとCちゃんは、二人で友情結婚についての話し合い。

Cちゃんは、形だけでも結婚式がしたいと言いました。

Jさんは、自分のわがままを飲んでもらっているので、それに反対する理由がありません。



*******************************************************************************************


今日はここまで。

友情結婚は、このようにお互いの利害が一致する結婚です。

ゲイのカップルとビアンのカップルが、それぞれ籍だけ入れることもあります。

なぜそんなことをするのかって、それは国が同性どうしの結婚を

認めていないからです。


結婚って、紙切れ一つ役所に出すだけですが、社会的には大きな意味を持ちます。


他人に遺産を相続するには、とても煩雑な手続きが必要です。

病気や事故でICUに入院したら、家族以外そこには入れません。

もじ、病院で息を引き取ろうとしていても、看取ることができません。

遺族年金ももらえないし、生命保険の保険金受取人にも条件付きで、受け取れない場合がある。


みんなと同じように、好きになってお付き合いをして

一緒に生活を共にして何十年と経っても


同性どうしの恋人たちは、お互いの気持ち以外、何も保障されないのです。


男と女がするのが結婚。


果たしてそうでしょうか?

性同一性障害の方たちは、とても強い気持ちを持って

自分の身体を、自分の心に合わせて生きる事ができます。

もちろん明日すぐにできることではなく、長い年月と

たくさんのお金がかかります。

その後、名前や戸籍を変えて、やっと元の自分産まれて来るはずだった性に戻れます。


ですが、性自認に違和はない人(わたしを含む)は

自分の身体や戸籍を変えたいとは思いません。

男のままで、女のままで、恋愛や性愛の対象が同性の場合

社会は何も保障してくれません。

それどころか、奇異の目で見ます。

病気だと言います。



実にくだらないことだと思いませんか?

自分と違うから、周りにいないから、絵にならないから…

色んな理由で、同性に惹かれる人を排除します。

物分かりの良いふりをして、心の中では

『私を好きになるなよ』

『俺にも欲情すんのか?やめてくれ』

と思っている人はたくさんいます。

当事者ではないから、分かったふりをする。

自分の身に降り懸かれば、手のひらを返す。


そんなに気持ち悪いことかな。


わたしにはその気持ちが分からない。


さて、同性愛と友情結婚や養子縁組とは、とても逞しい生きる術だと言っても過言ではありません。

この日本に生まれ、できるだけまわりを傷つけないように、よりよい人生を歩んでいく。

そのために、今ある決まりの中で、どうにかして社会に認められたい。

同性どうしの恋愛の末の答えとは、ヘテロのみなさんには想像もつかないほどに

険しくて大変なものなのです。


どうか、偏見の目を向けないでください。


わたしの一生の目標であり、目的でもあります。

生きるために、声を大にして言うのです。


同性を好きになって何が悪い?!


Posted by hys at 17:45│Comments(0)同性愛
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
愛すべきふたり
    コメント(0)