2012年03月14日

所詮、愛だぜ


わたしには、どうしても譲れない信条がある。


それは敢えてここに記すことはしないが、それさえ侵されなければ、何でもOKという

なんとも単純で、簡単な人間だ。


それを侵されることは、ほとんどないに等しい。


だがたまに、それを悪気の欠片もなく、自然に侵す人と出会う。


拒否反応が、甚だしい。


でも、それを相手に直接伝えることはしない。


それを伝えたところで、わたしの自分勝手で一方的な要求にすぎないし、相手はさぞ迷惑だろう。



いつか、その人が、自分で気づく時が来るさ、とのんびり構えている。  


わたしは自他共に認める『飲み会人間』だった。昔は、ね。


週に6日は外で飲んでいたし、合コンとやらにも数え切れないほど行ったし、


毎日午前様、だった。


そんな初対面の人たちと、毎日のように出会い、別れ、また出会っていた。


その飲み会に現れる人たちの中に、どうしてもそりが合わない人も、いた。


会っていきなり、喧嘩腰だ。もちろんあちらが。


なぜわたしにそんなに敵対心を燃やすのか、分からない。


わたしなんて、取るに足らない、冴えない、地味な人間なのに。



きっと、わたしの現実離れした考え方に、腹を立てたのだろうが、そこに本気で怒る人間も珍しい。


初対面で、異性で(わたしにとってはどっちでも一緒なのだけど)、地味な女に本気で腹を立てる。


わあ、こういう男もいるんだな、と感心してしまった。



みんな、他愛もない話で、馬鹿みたいに笑ったり、隣の人にもたれかかっていたりしている中、


その男は、わたしに食ってかかってきたのだ。 未だに、彼の心理は量りかねるが。



何の話をしていたのかは、ぼんやりとしか思い出せないが、彼はとても現実的なことを言っていたように思う。


結婚だとか、愛だとか、そんな話だったように思う。



要約すると、彼は『所詮、女は金だろ?』ということを、しきりに言っていた。


そしてわたしは『金はあった方がいいけれど、それだけじゃないだろ』と言っていた。


その『あった方がいいけど』という文句に、彼は必死になって噛み付いてきた。


なんだその良いとこ取りな考えは!


だから所詮は金なんだろ?!


というのが、彼の主張だった。



いやいやいやいや、じゃあなくてもいいよ、金、いらねー


というわたしに、『じゃあ、ってなんだよ!認めろよ!金なんだろ?!』と。



わたしが思うに、彼は『女は金さえあればホイホイついて行くし、結婚も所詮金持ちしかできないよ』ということを


わたしに言わせたかったのではないか、と短絡的にそう思う。



何かもっと、深い事情や彼の身の回りで何かがあったのかもしれないが、そんなこと知ったことではない。



そう言ってほしいのなら、言わせる技術ってもんがあるだろう、と思いながら彼との論争は続いた。



愛だ、金だ、いや愛だ、いいや金だ・・・



どっちだっていいよ、人それぞれなんだし。と言っても、彼は納得しなかった。



いいや、女は金だ、金さえあればいいんだ、金だ金だ金だ・・・



彼とは結局、最後まで相容れることなく、その飲み会はお開きになった。




最後に彼が言ったのが印象深かったな。


『金だって言えよ!』


捨て台詞ともとれるこの言葉。


お願いだ、女は金でどうとでもなるって、言ってくれよ、認めてくれよ、金はあるのにじゃあなんで…


という、わたしの勝手な妄想が、彼を悲しく見せた。




おいおい、女も男も人間は、所詮愛なんだよ、所詮。





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Posted by hys at 21:37│Comments(0)独り言
 
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